銅剣 どうけん

銅剣
どうけん

東アジアの銅製短剣は、柄部と刃部を同時に鋳造する有柄式と、別々に鋳造して、組合わせる有茎式に分けられる。前者は中央アジアで盛行するオルドス式青銅器や、中国の春秋・戦国時代に盛行するいわゆる桃氏剣である。後者は中国東北地方や、朝鮮半島で盛行する遼寧式銅剣や細形銅剣である。遼寧式銅剣は曲刃で、刃に突起を持つのが特徴である。細形銅剣は遼寧式銅剣を祖型として朝鮮半島で出現し、突起が節帯に変化している。細形銅剣は朝鮮半島の主要な武器として多量に生産され、多くは墳墓に副葬されている。細形銅剣は弥生時代の日本にも流入し、北部九州の前期末から中期前半の首長墓の副葬品に多く見られる。中期には列島産化も始まり、中期後半の王墓に列島産銅剣が副葬される例もあるが、北部九州よりむしろ中・四国地方で盛んとなり、平形銅剣や中細C式銅剣など儀器として盛行する。

（宮井善朗）

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