銅鉇 どうやりがんな

銅鉇
どうやりがんな

小さな竹木の小細工に使用する工具。細長い身部の先端を研いで刃部を形成する。横断面が丸みを帯びたものと背に稜を持つものがあり、鋒から基部までの身幅が同じものと鋒側が幅広いものとがある。地域・時代によって形態が異なる。中国大陸では刮刀・削などと呼ばれて、春秋時代に楚の地域で出現し、戦国時代に入ると楚文化圏南部で発達する。それらは墳墓の副葬品として発見されることが多い。前漢時代には鉇の素材は鉄製に転換し、銅鉇は儀器化する。銅鉇は中国から朝鮮半島・沿海州・日本へ伝わる。朝鮮半島では無文土器(青銅器)時代初期から出現し、日本では弥生時代中期初頭から出現する。これまでに朝鮮半島で13遺跡、日本で16遺跡の発見例があり、その鋳型も朝鮮半島に1例、日本に4例が確認されている。朝鮮半島ではほとんどが副葬品として発見されるが、日本では集落から発見される例が多く、実用性の高い青銅器であったことが知られる。刃部の片側が研ぎ減る例が多く、切り出しナイフのような使用法が考えられる。短くなったものは基部両端に抉りをつけて、柄を着装して使用している。

(片岡宏二)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


ホウ、きっさき、ほこ、ほこさき


カツ、けず(る)、こす(る)