ガラス〔朝鮮〕 がらす

ガラス〔朝鮮〕
がらす

朝鮮半島におけるガラスの起源についてはよくわからないが、無文土器(青銅器)時代に忠清南道扶余郡の合松里遺跡では、細形銅剣・多鈕細文鏡・鉄斧などと伴出したガラス製管玉が知られる。その後、楽浪郡関係遺跡からは、ガラス製の小玉・耳璫・唅蟬など種類が豊富に出土するようになる。ガラス製品が大量に出現するのは、三国時代に入ってからのことである。新羅では、5〜6世紀の古墳出土品の中に、装身具としてのガラス製小玉が大量に出土し、色調も多様である。さらにガラス製容器は、瑞鳳塚・天馬塚などの古墳のほか、皇龍寺塔心礎など寺院跡からも出土し、20個ほどになる。器形には、坏・台付坏・碗・瓶などがあり、技法も多様であるが、色彩は青色もしくは淡青色で華麗である。これらは多くローマ・ガラス類に属し、北方の草原ルートを経由しての伝来を説く説がある。一方で、アルカリ石灰を含むソーダ・ガラスを新羅製品とする見解もある。統一新羅時代でも、数個を数えるガラス製容器は、感恩寺跡など慶州の出土品に多い。それらのほとんどは、寺院跡の塔の中から発見され、舎利容器としての瓶である。

(西谷正)

以上、転載

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ

唅蟬
ガンゼン

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