ゴームン文化 ごーむんぶんか

ゴームン文化
ごーむんぶんか
Goa Mun culture

ベトナム・北部の青銅器文化で、標準遺跡のゴームン遺跡はフート省フオンチャウ県に位置する。ゴームン文化に属する遺跡は紅河中流域の自然堤防上や、平地と高原地帯の中間に位置する低丘陵上に立地する場合が多く、フート、ハタイ、バックニンの各省とハノイ市に多い。紅河流域では後期新石器時代のフングエン文化(初期青銅器時代とする見方もある)から青銅器時代のドンダウ文化、ゴームン文化を経て初期鉄器時代のドンソン文化へ、という連続的な発展段階が設定されている。稲作農耕はフングエン文化の段階から始まる。ベトナム人研究者は一般に、フングエン文化をBC2000〜1500年ごろ、ドンダウ文化をBC1500〜1100年ごろ、ゴームン文化をBC1100〜700年ごろと考えるが、中国の玉器・牙璋がフングエン文化期後半の遺跡から出土することなどから、フングエン文化の年代をBC2000年紀後半とする説が妥当である。ゴームン文化は鏃・槍先・斧・釣針など、ドンダウ文化の青銅器を受け継いでいるが、農具としての青銅製鎌や、青銅製腕輪が新たに出現した。他の遺物としては石斧や砥石、刻線文や印文による幾何学的モチーフを持つ土器、四つの突起を持つ石製玦状耳飾がある。

(山形眞理子)

以上、転載