高霊〔古墳群〕 こうれい
高霊
こうれい
Goryeong
韓国・慶尚北道高霊郡高霊邑と、一部は雲水面にまたがり、洛東江中流域の西方にある古墳群。いわゆる大加耶の王・貴族層や有力者階級が築造したもので、5~6世紀の所産である。1917年(大正6)度に朝鮮総督府が分布調査を行っている。古墳群は、およそ南北の長さ13㎞、最大幅2.5㎞の狭長な小盆地の西側に突出する丘陵地に築造されている。古墳はさらに4支群に分かれ、北から月山洞・本館洞・池山洞・古衙洞と呼ばれる。月山洞古墳群は、四つの丘陵の南斜面に位置し、数十基の円墳が分布する。内部は竪穴式石室と思われる。本館洞古墳群は、20数基の円墳からなる。池山洞古墳群は、高霊で最大の規模を持つ。主山の南腹にあって地形上、東群と西群とに分かれる。東群が約100基の円墳からなり、竪穴式石室を内部主体とするのに対して、西群は約50基からなり、箱式石棺を含む。出土遺物から見て、東群の竪穴式石室が古い。古衙洞古墳群は、3基の円墳からなり、丘陵の東麓に立地する。そのうち1基は、蓮華文を多数描いた壁画古墳である。
(西谷正)
以上、転載
*マップは慶尚北道高霊郡の範囲
