高常賢墓 こうじょうけんぼ
高常賢墓
こうじょうけんぼ
Gosanghyeon-myo
北朝鮮・ピョンヤン特別市楽浪区域貞栢洞に所在する楽浪郡時代の木槨墳。「貞栢洞2号墳」ともいう。1961年に科学院考古学および民俗学研究所によって発掘調査された。墳丘は削平されていたが、地下に竪穴式方形木槨(280×250㎝)が残存していた。木槨の中央やや東側に2本の柱が立ち、その東西にそれぞれ木棺を埋葬する。木棺はいずれも二重木棺で、東棺側板には青銅製四葉座金具を打ちつけている。西棺内には鉄製長剣・異体字銘帯鏡(日光鏡)・銀製帯金具・印章が副葬され、被葬者は男性と推定される。東棺内には装身具類・土器・漆箱が副葬され、漆箱の中には異体字銘帯鏡(昭明鏡)・木櫛・刷毛・漆筒・顔料などの化粧道具が入れられており、被葬者は女性と考えられる。西棺と東棺の北側にはそれぞれ漆器や土器などの容器類が置かれ、漆案の上に耳杯などの漆器が載せられていた。西棺の西側には、細形銅剣や弩機などの武具類・車馬具など多数の副葬品が置かれ、2棺の間にも蓋と漆耳杯が副葬されていた。被葬者は西棺出土の銀印と銅印から、楽浪郡嶺東七県の一つである夫租県の長であった高常賢とその夫人であると考えられる。また、漆蓋に「永始三年(BC14)十二月造鄭氏作」の銘文があることなどから、築造年代はBC1世紀後半と推定される。
(高久健二)
以上、転載
