グスク ぐすく

グスク
ぐすく

奄美大島から八重山列島に至る南西諸島で、13世紀から15世紀に構築した城。奄美諸島と沖縄島ではグスク、宮古島ではジョウ、石垣島などではスクとも呼び、いずれも「城」の字を当てる。多くは海や集落を見下ろす見晴らしのよい丘陵上に立地する。沖縄本島の中・南部や先島諸島の石灰岩地帯では石築が多く、奄美や沖縄本島北部の非石灰岩地帯では土築が多い。この時代は、農業と東アジア諸国との貿易で得た富を基盤に地方領主である按司が出現し、互いに貿易の利権や支配領域の拡大をめぐって争った緊張の時代であり、グスクの多くはこうした時代を背景にして造営された。グスクは防御された削平地とともに、貿易陶磁器・生活用具などの遺物が埋蔵される考古学上の遺跡でもあるが、今なお拝所として地域住民の聖域になっている所でもある。沖縄本島および周辺離島だけでも220数ヵ所確認されており、奄美や先島を含めると、その数は300から400ヵ所にのぼる。

(當眞嗣一)

以上、転載

 

*辞典解説文から漢字ピックアップ

拝所
うがんじゅ