掛陵 けりょう

掛陵
けりょう
Gwaeneung

韓国・慶尚北道月城郡外東面掛陵里に所在する統一新羅時代の王陵。『三国遺事』には、元聖王陵に関して「吐含岳西洞の鵠寺(今は崇福寺)に在り、崔致遠の撰べる碑有り」と見え、また、その崇福寺跡が掛陵の東南方向に3㎞余りの所にあることから、元聖王陵に比定されている。王陵は円墳で直径23m、高さ6mを測る。円墳の裾部には護石がめぐるが、その束石に獣頭人身の十二支神像を、それぞれの方位に合わせて浮彫りしている。円墳前方の墓道両側には、1対ずつ南から順に華表石柱・武人石像・文人石像や、2対の石獣が向かい合って配置されている。武人石像の顔は西アジア人の風貌を示す。このような石人・石獣は、中国・唐の皇帝陵の影響を受けたもので、統一新羅時代特有の十二支神像とともに、この時代の典型的な王陵型式といえる。

(西谷正)

以上、転載