玉衣 ぎょくい

玉衣
ぎょくい

中国・漢代において死者の遺体全体に被せた殮服で、皇帝・諸侯王・高級官僚らの埋葬に限って使う。「玉匣」「玉柙」とも呼ばれる。古来、玉は防腐の機能を有すると信じられており、周代の大型墓から発見される玉面罩に起源を持つ。基本的に人体の形に合わせて頭部・上衣・下衣・手袋・靴の部分に分けて作られる。大小の玉片に小孔を開け、部品ごとに金・銀・銅・絲絹の糸で綴られており、それぞれ「金(銀・銅・絲)鏤玉衣」とも呼ぶ。一般的に頭部は面罩と後側の頭罩、上衣は胴体の前・後片と左右の袖筒からなり、下衣と靴は左右別々に作って最終的に死者の全身を被せる完成する。『後漢書』「礼儀志」に、皇帝は「金鏤玉衣」、諸侯王・列侯・公主は「銀鏤玉衣」、また大貴人・長公主は「銅鏤玉衣」という3等級に分ける記述がある。河北省満城県陵山の前漢中山王墓の「金鏤玉衣」は全長1.88m、使用する玉片は2498点、玉衣を綴る金糸が合計約1100g、顔には目・鼻・口、胴には胸・腹・尻などを明確に表す。各地の漢代の大型墓から玉衣、もしくは玉衣片の出土が相次ぎ、殮葬制度およびその階級性について、需要な資料を提供している。

黄暁芬)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


レン


コウ、はこ


コウ


トウ、かご、こ(める)

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