広田遺跡 ひろたいせき
広田遺跡
ひろたいせき
鹿児島県熊毛郡南種子町平山字広田に所在し、種子島の南東海岸部の砂丘上に立地する埋葬遺跡。国分直一・金関丈夫・盛園尚孝らが1957~59年(昭和32~34)3次にわたる発掘調査を実施し、上中下3層にまたがる埋葬遺構を検出し、150体を超える人骨が出土した。それらは現在では弥生時代後期後半~古墳時代併行期に所属するものと考えられている。下層で1次葬・単葬墓、中層は2次葬・合葬墓、上層は砂岩やサンゴ礫で区画した2次葬・合葬墓で焼骨層を伴っており、その独特の埋葬形態と人骨の形質的特徴、人骨に伴った豊富な貝製品の文様や形態の特徴が広く注目を集めた。特に下層人骨に伴った龍佩形の貝製品と饕餮文や蟠螭文類似の彫文をもつ貝符などは、中国古代文化との関連が説かれて久しい。報告書も刊行され、遺跡の年代や貝製品の系譜など、今後の研究の進展が期待される。
(本田道輝)
以上、転載
*辞典解説文から漢字ピックアップ
佩
ハイ、おびだま、お(びる)、は(く)
饕
トウ、むさぼ(る)
餮
テツ、むさぼ(る)
蟠
ハン、バン、めぐ(る)、わだかま(る)
螭
チ、みずち
