翡翠 ひすい

翡翠
ひすい

玉や玉器に用いられた石材。良質部は半透明のエメラルドグリーンであるが、多くは白濁状生地に緑の斑点や縞が見える程度である。硬度7、粒状の結晶が繊維状に入り組んで頑丈である。日本には縄文時代から翡翠製品があり、その供給地をめぐって論争されたが、1939年(昭和14)に新潟県糸魚川市小滝で産地が報告された。現在、糸魚川産地周辺の遺跡および北陸地方で、縄文時代から古墳時代にかけて翡翠を用いた玉つくり遺跡が多数確認されている。縄文時代翡翠玉の分布の中心は東日本であるが、弥生時代では北部九州を中心に良質で大形の翡翠勾玉が分布する。古墳時代後期に翡翠は減少する。朝鮮半島では産地は未発見である。有名なミャンマーの翡翠は、18世紀ごろ発見され、中国を中心に需要が高まったものである。

(河村好光)

以上、転載

 

 

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