唐長安城圜丘遺跡 とうちょうあんじょうだんきゅういせき

唐長安城圜丘遺跡
とうちょうあんじょうだんきゅういせき
Tang Changancheng-huanqiu-yizhi

中国・西安市にある皇帝が天を祀る施設。「円丘」ともいう。長安城南郊の明徳門東南にあり、1999年に円形の版築基壇が発見された。基壇は4層あり、直径は最下段の第1層が52.8m、第2層が40.5m、第3層が28.4m、最上段の第4層が20.2m、各層の高さ約2mで、総高は8.12mに達する。各層の円丘を12等分する角度で放射状に階段が12ヵ所に付き、十二星辰を表している。階段は層毎に同じ幅と長さであるが、第1層南の階段はひときわ幅と長さが大きく、皇帝専用であった。基壇は黄土の版築で築かれ、全面を黄土で平滑にした後、籾殻と藁を混ぜた石灰を塗って白く仕上げられている。隋代に建設され、唐代にも使用された後、唐代末期に廃絶した。『大唐郊祀録』には付属施設があったと記されるが、圜丘の周囲に建築物はなく、30〜40m外側に直径80mほどの円形の壁がめぐっていたと推測されている。

(吉田恵二)

以上、転載