匜 い



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もともとの定義は把手と注口のついた器で、水を注ぐ用途があるという。新石器時代の土器中の把手と注口のついた器を匜と呼ぶこともあるが、一般的には西周時代後期以降に出現した、浅くて楕円形の器身、断面U字形の大きな注口、三足のついた器を匜と呼ぶ。春秋時代以降の盤の上に載せた状態で出土した例があり、盤を承水器として匜から水を注ぎ、手を洗う儀式に用いたという文献上の記述とも一致する。

(難波純子)

以上、転載