伊江島具志原貝塚 いえじまぐしばるかいづか

伊江島具志原貝塚
いえじまぐしばるかいづか

沖縄県国頭郡伊江村字川平に所在し、島の南海岸砂丘に立地する。1963年（昭和38）に琉球大学法文学部史学科によって発掘調査が行われ、在地の土器に伴って弥生土器（山ノ口式）が出土した。弥生土器の検出は沖縄において初めてのことであり、遺跡の時期判定はもとより当時、南九州との交流があったことを示す貴重な発見となった。その後、新たな遺跡が確認され、1984・85年（昭和59・60）に採砂工事に伴って、伊江村教委が発掘調査を実施した。その結果、下層が縄文時代前期、中層が縄文時代後期、上層が弥生時代から古墳時代の複合遺跡であることがわかった。上層からはイモガイの集積遺構などが検出され、貝札や貝輪などの貝製品も多く出土している。注目すべき遺物には免田式土器がある。

（岸本義彦）

以上、転載