鬲 れき


れき
Ii

中国古代の炊器の一種で、袋状の三足がつく器をいう。おおむね新石器時代後期に、黄河流域で土製の鬲が出現した。三足の下部から直接加熱して調理し、そのまま銘々の食器としても用いたようである。上に甑を載せて蒸料理に用いることもあるため、湯を沸かす道具でもあったことがわかる。その後、長江流域へと分布圏が広がり、煮炊用土器として、鬲は戦国時代に至るまで中国全土にわたりもっとも普遍的な存在となる。

(難波純子)

以上、転載