イフ・ハイラント遺跡 いふ・はいらんといせき
イフ・ハイラント遺跡
いふ・はいらんといせき
Ikh-Khairant site
モンゴル・ヘンティ県デリゲルハーン郡バヤンウラン山東麓のイフ・ハイラント谷とその扇状地一帯に広がる開地遺跡。中期旧石器・新石器時代の遺物、岩壁画、青銅器時代の板石墓群、匈奴時代の墳墓、12〜14世紀代の墓群が認められる。中期旧石器の資料は、表面採集品ではあるが、ルヴァロワ技術による石刃・尖頭器からなるムステリアン石器群である。同石器群としては、ユーラシア大陸でもっとも東に位置する遺跡の一つである。アルタイ地方の同石器群に系譜をたどれるが、礫石器や石斧を含むなど在地化した特徴も有す。また、12〜14世紀代の墓群は、立石列で周囲と隔絶されているという特異な構造を持つ。モンゴル帝国の要地「大オルド」のアウラガ遺跡に近いことから、被葬者は高位高官とその関係者であると想定されている。
(白石典之)
以上、転載
*mapはヘンティ県
