益山双陵 えきざんそうりょう
益山双陵
えきざんそうりょう
Iksan-ssangneung
韓国・全羅北道益山市八峰面石旺里に所在する三国時代百済の古墳。王宮里遺跡の西北西約2㎞の地点に当たる。大王墓と小王墓の2基が近接して築かれ、双陵と呼ばれている。1917年(大正6)谷井済一らにより調査された。大王墓は護石列を持つ直径約30m、高さ約5mの円墳である。主体部は玄室長3.80m、幅1.78mのいわゆる陵山里型の平斜天井構造の切石積石室である。棺は武寧王陵のものとよく似た天井部が丸くなったもので、蓮花文を飾った金銅製の棺座金具や釘がつけられていた。棺材は高野槇であった。遺物は須恵質の埦が玄室入口から1点出土している。小王墓は直径約24m、高さ3.5mの円墳で、内部主体は大王墓とよく似た形で、玄室の大きさは長さ約3.20m、幅1.30mとやや小型である。遺物はわからない。この2基の古墳の性格はよくわからないが、大王墓は扶余の王陵である陵山里古墳群の墳丘や石室よりも大きく、木棺の形などを含めて王陵クラスであることは間違いない。時期ははっきりしないが、7世紀前半と考えられている。
(亀田修一)
以上、転載
