犬 いぬ
犬
いぬ
犬はもっとも早く家畜化された動物であるといわれている。大きさは、体高20㎝のチワワから子牛ほどもあるセント・バーナードと様々で、人が都合のよいようにイヌを計画的な交配と淘汰によって改良した結果、400種以上の品種がある。日本でイヌが出土したもっとも古い例は、神奈川県横須賀市夏島貝塚での出土例で、およそ9500年前のものである。埋葬された例としては、愛媛県上黒岩岩陰遺跡のおよそ8600年前で、縄文時代においては200基以上の埋葬犬の調査例が知られている。人の墓を取り囲むように埋葬された例(愛知県吉胡貝塚)、人に添えるように埋葬された例(宮城県前浜貝塚・愛知県大曲輪貝塚)から、イヌはあの世における番犬の役割、霊魂を導く役割をしていたものと考えられる。同様の例はBC1世紀頃の韓国・慶尚南道泗川市勒島遺跡で検出されている。26体以上の人を埋葬した墓域内から、埋葬犬が21体以上見つかっている。人との緊密な関係がうかがえる。
(宮崎泰史)
以上、転載
