ジャワ原人 じゃわげんじん

ジャワ原人
じゃわげんじん
Java man

インドネシア・ジャワ島のソロ川中流域、トリニールで、1891年、オランダ人医師のユージン・デュボアによって、史上最初に発見された原人頭蓋化石。翌92年にも、すぐ近くから左大腿骨が発見された。94年にデュボアによって、ピテカントロプス・エレクトスと命名された。時代は北京原人よりやや古く、80〜90万年前頃とされる。脳頭蓋が非常に低くて扁平で、脳容量も950cc程度とかなり小さい。眼窩状隆起の発達がかなり顕著で、その上部には溝が走り、眼窩後狭窄も強い。こうした特徴から、当初は人類化石ではないとする意見が強かったが、1920年台以降の北京原人の発見によって、その人類進化上の価値が確立した経緯がある。なお、戦後の1969年には、サンギランで顔面部を伴う8号人骨が追加発見されている。また近年、同じジャワ島のモジョケルト出土の化石年代について180万年前にさかのぼる結果が発表され、同島の原人の年代について議論が再燃している。

(中橋孝博)

以上、転載