実験考古学 じっけんこうこがく

実験考古学
じっけんこうこがく

実験考古学とは、過去の人間活動の痕跡を遺跡・遺構・遺物などから収集し、仮説を立て、復元製作や使用実験を通じて観察・確認しデータを記録して、実物や複製、仮説と比較検討しながら研究する方法である。現在は、失われた過去の人間の考えや思想・信仰行為や行動、技術などのソフト面を解明することに重点が置かれている。このために遺跡や遺構・遺物から、人間活動にかかわる情報を数多く引き出す。これらの情報をもとに、製作技術や使用方法、活動の仕方や思考方法などを確かめ、製作・使用・廃棄・消滅の局面を想定し、可能性や再現性を探る。そして遺跡・遺構・遺物について複製を作成し、使用・廃棄・埋没・消滅させて、機能と使用方法、破壊度や廃棄パターン、腐朽と消滅の変遷過程あるいは物質資源の循環などの可能性を実験しデータをとって確かめる。事前に収集した情報や予測と実験結果とが何回か一致すれば、新たな仮説を提示できる。採集・狩猟・漁労・農耕・牧畜・交易・祭祀・信仰・戦争など、およそ人間にかかわるあらゆる面に利用できる。

(岡内三眞)

以上、転載