真坡里1号墳 しんぱり1ごうふん
真坡里1号墳
しんぱり1ごうふん
Jinpa-ri-1(il)ho-bun
北朝鮮・ピョンヤン特別市力浦区域龍山里にある、三国時代高句麗の壁画古墳。王陵級の伝東明王陵の周囲に分布する10基の真坡里古墳群中、1号と4号に壁画がある。1941年(昭和16)米田美代治・澤俊一らによって調査されたが、報告書は出ていない。第2次大戦後、科学院考古学・民俗学研究所や金日成綜合大学によって調査された。一辺約30m、高さ約7mの方台形の墳丘内の石室は、羨道が中央につく長方形(3.4m×2.5m)で、天井は平行・隅三角持送りである。漆喰が塗られた上に描かれた壁画は、飛雲文・忍冬華文を地文にした四神図が中心である。北壁には玄武を挟んで両側に松を1本ずつ描き、東壁に青龍と瑞鳥、西壁に白虎、南壁に雌雄を描き分けた相対する朱雀、羨道には円光のある守門将がある。持送り部も唐草文と雲文で飾り、天井石に三足烏のいる日象と兎・蟾蜍のある月象がある。高度な絵画技術を見せる高句麗壁画の代表である。
(南秀雄)
以上、転載
