貝製品 かいせいひん
貝製品
かいせいひん
貝殻は入手しやすく加工しやすい素材であると言う特徴に加えて、美しい材質感を長く保ち続けるという特徴を備えていることから、縄文時代から現代に至るまで、全国各地で生活用具・装身具などの材料として盛んに利用されてきた。生活用具としては貝斧・貝刃・貝鏃・貝錘・貝匙・貝杯などが、装身具としては貝輪・貝釧・貝玉などが認められる。貝殻の産地で使用される場合が多いが、遠隔地へ運ばれて使用される場合もある。とりわけ日本では、弥生時代以降における政治的社会の形成に伴い、南西諸島に生息している大型巻貝類が「威信材」として珍重され、交易品として運ばれ続けた事例がよく知られている。こうした南西諸島における貝交易は、弥生〜古墳時代におけるゴホウラ・イモガイの需要から、飛鳥時代以降はヤコウガイに移行すると指摘されている。
(高梨修)
以上、転載
