亀ヶ岡遺跡 かめがおかいせき

亀ヶ岡遺跡
かめがおかいせき

青森県津軽市（旧西津軽郡）木造町館岡字亀ヶ岡の丘陵部（雷電宮地区）と、低湿地（近江沢・沢根地区）に所在する。縄文時代晩期の亀ヶ岡文化を代表する遺跡であるとともに、亀ヶ岡式土器の標準遺跡。遺跡の発見は江戸時代にさかのぼり、1623年（元和9）の『永禄日記』や、菅江真澄・松浦武四郎などの記録がある。明治20年代には蓑虫山人・若林勝邦・佐藤伝蔵らが『東京人類学会雑誌』に報告し、豊富な遺物を出土する泥炭層遺跡として一躍有名になった。朱や漆塗りの装飾と美麗に造形された亀ヶ岡式土器として著名である。1950年（昭和25）慶応大学、73年（昭和48）青森県教委、80～82年（昭和55～57）青森県立郷土館が発掘している。大型遮光器土偶・翡翠製勾玉・丸玉・籃胎漆器・石棒など、信仰の根強い精神文化や高度な技術の存在を物語る優品が多く出土し、最近の発掘では雷電宮地区から土壙墓群、沢根地区から多くの完形土器や大洞A式土器に伴うガラス玉

籾・炭化米などの弥生文化的文物が発見された。遺物は全国に散在するが、青森県立郷土館風韻堂コレクションに優品が収められている。

（鈴木克彦）

以上、転載