亀ヶ岡式土器 かめがおかしきどき

亀ヶ岡式土器
かめがおかしきどき

東北地方の縄文時代晩期文化を代表する土器。その影響は近畿地方でも確認ができる。青森県つがる市(旧西津軽郡)木造町亀ヶ岡遺跡から出土した豊富な土器を標準資料として設定された。精製土器と粗製土器の区別が歴然としている。分量的には後者が圧倒的に多い点は、日常用の容器として煮炊き、貯蔵の具に供したからであろうか。精製土器は胎土が精良で、薄手づくり、小型ながら器種に富み、光沢を持つ黒色に堅く焼き上げられている。器面に半肉彫りの典雅な文様が水平方向に施されている。東北地方に分布する縄文時代晩期の土器型式の総称として、20世紀初頭から亀ヶ岡式・陸奥式土器の呼称が用いられた。現在、東北地方の縄文時代晩期の土器編年は、山内清男による岩手県大洞貝塚の研究成果にもとづき、大洞B・BC・C1・C2・A・A’式の6区分が利用されている。

(中村修身)

以上、転載