虺龍文鏡 きりゅうもんきょう

虺龍文鏡
きりゅうもんきょう

内区を4個の円座乳で4分割し、乳間に1個の逆S字形を配置した単純な文様であるが、逆S字形には龍虎や小禽など動物文が添えられている。主文は細線での表出であるが、素文の平縁で銘文はない。紐座の型式は編年の指標となり、鏡径とも相関がある。連珠文座や四葉座は円座よりも古い。中国の前漢後期から後漢前期にかけて流行した鏡で、中国各地の漢墓、朝鮮半島の楽浪郡の墳墓や漁隠洞遺跡などから出土している。日本での出土例は、弥生時代後期から古墳時代中・後期にわたり、北部九州から関東までの広い範囲に及んでいる。

（藤丸詔八郎）

以上、転載