コピチンスキー寺院跡 こぴちんすきーじいんあと

コピチンスキー寺院跡
こぴちんすきーじいんあと
Kopitinsky

ロシア・沿海州ウスリースク 地区クロウノフカ村の南西約2㎞にある渤海時代の寺院跡。遺跡はクロウノフカ川の右岸、コピト丘の頂上に位置している。E.V.シャフクノフらによって3度の調査が行われており、寺院建物の基壇跡と寺守の住居跡とされる遺構が検出され、寺域が確認されている。寺院建物は長方形で、高さ0.4mの基壇上に建てられていた。基壇は玄武岩塊によって縁取りされており、その上からは各列3個ずつ3列、計9個の礎石が検出された。この建物の入口は北側にあり、平たい玄武岩で築かれた階段を伴っている。基壇の北側と東側には石垣があり、その入口も北側から発見されている。平瓦・丸瓦・軒瓦の堆積が石垣部分と入口部に集中しており、石垣上には瓦葺の庇を持った木造の塀が築かれていたものと考えられる。瓦のほかに中庭と基壇の調査区から、祭式用の半球形をした埦形土器も検出されている。

(清水信行)

以上、転載

 

 

*mapのピンはクロウノフカ