高麗系瓦 こうらいけいかわら
高麗系瓦
こうらいけいかわら
朝鮮の高麗造瓦技法で製作された沖縄諸島出土の瓦。還元炎焼成による灰色瓦でグスク時代に生産された。沖縄諸島における最古の瓦で、後続の大和系瓦に技術上の影響を与える。製作年代は平瓦の凸面に見られる「癸酉」刻銘から、1153年説、1273年説、1333年説、1393年説の諸説があり未だ確定していない。窯跡も未発見のため製作地が高麗か、沖縄かで見解が分かれている。瓦の分布は沖縄諸島の中部圏を中心に属島の久米島や、遠くは南の宮古島にも及び42遺跡を数える。高麗瓦の種類・量とも豊富な遺跡は浦添城跡・首里城跡・勝連城跡・崎山御嶽遺跡の4遺跡に限定される。同瓦の種類は軒丸瓦・軒平瓦・丸瓦・平瓦・有段式平瓦・隅木先瓦・鬼瓦・窓瓦・熨斗瓦の9種類に及ぶ。平瓦は羽状(魚骨)の叩き目文を有し、「癸酉年高麗瓦匠造」「大天」「天」「大天・月」格子模様と瓦文字様の組合せなどの刻銘がある。
(上原靜)
以上、転載
