琴 こと・きん
琴
こと・きん
原義では弦楽器全般を称する。わが国固有の和琴と大陸伝来の琴との2種がある。前者は縄文時代から古墳時代にかけての出土例が、その発生から定式化への過程を示すものとして注目されてきた。後者は7・8世紀にもたらされたと考えられている。琴身は、頭部の平面形、胴部の断面形、尾部の突起数に基づいて細分が可能である。胴部の断面形は2種あり、一つは板作りで、もう一つは共鳴槽を持つものである。古墳時代には実物資料のほか、男性の埴輪弾琴像が知られる。服装や姿勢に共通性が見られることから、職掌として存在していたことが指摘されている。また、撥を握って弾く姿の埴輪もあり、奏法の多様性が知られる。出土例としては弥生時代・古墳時代が多く、奈良時代以降の出土例は減少する。屋外で用いられるものから、室内で用いるものへと用途が変化したことや、外来琴の受容がその要因と考えられている。
(大西智和)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
撥
ハチ、バチ、ハツ、おさ(める)、かか(げる)、のぞ(く)、は(ねる)
