空心塼墓 くうしんせんぼ

空心塼墓
くうしんせんぼ

空心塼によって埋葬施設を構築した墓である。中国・河南省を中心として陝西省や山西省の一部に広がる地域性の顕著な墓制で、戦国時代中期ごろに現れ、後漢時代初頭には衰退した。一般的に時期が古い空心塼墓は槨構造が多く、天井部も平頂を特徴とする。前漢時代中期以降の空心塼墓は玄門、祭祀と埋葬の空間からなる室構造がほとんどで、主室の天井部は平頂から徐々に屋根型頂へと移行する。特に陰刻か、スタンプ文様などの装飾技法で、空心塼の表を飾る画像塼が少なくない。洛陽市「卜千秋」墓がその好例で、長大な空心塼で玄室を構築し、壁面には菱形文や方格網文などのスタンプ文様によって装飾された壁塼や天井塼を使用している。

黄暁芬)

以上、転載