靴形銅斧 くつがたどうふ
靴形銅斧
くつがたどうふ
東南アジアのドンソン文化や近隣の文化に見られる銅斧の一種。普通の斧が平面形において左右対称であるのに対し、靴を側面から見た形のように非対称である。ドンソン文化に先行するゴームン文化、中国戦国時代の広西壮族自治区銀山嶺、広東省徳慶など先行する時期にも見られる。銅鼓に見られるのと同じ鳥人文を鋳出したものがあり、銅鼓表面の図柄の中には、この斧を持って踊る人物が表現されたものもあり、儀器的性格がうかがえる。インドネシアには1mを超える長さに長大化したものがあり、いっそうの儀器化を示す。マレー半島にはテンベリンナイフと呼ばれる類似の形で石製のもの、ほかに鉄製のものもあるが、相互に関係を持つかどうかはわからない。
(今村啓爾)
以上、転載
