巨石文化〔台湾〕 きょせきぶんか

巨石文化〔台湾〕
きょせきぶんか

台湾・東部の太平洋沿岸部に分布する、およそ4000〜3000年前の先史文化。台東県麒麟遺跡を典型とするため、「麒麟文化」の名称も用いられている。遺物については、刳抜石棺・石壁・石柱・立石・石像・石貨様石製品などを中心とするが、これらはほとんど宗教や精神生活にかかわるものである。一方、一部の土器は卑南遺跡を標準とする文化のものに類似するが、一般的な日常生活用具はまだ明らかにされず、今後その文化の性格の解明が急務である。巨石文化は卑南文化とほぼ同時に台湾の東海岸に分布し、内容の異なるものがあるが、一部は同系のものとして見て間違いない。したがって、両者の親縁関係はこれまで興味深い問題となってきた。最近では、いくつかの関連遺跡の発掘調査に伴い、その実態が徐々に明らかになり、巨石文化を卑南遺跡の文化系統の範疇に入れる意見が多いようである。

(陳有貝)

以上、転載