李賢墓 りけんぼ
李賢墓
りけんぼ
Lixian-mu
中国・寧夏回族自治区固原県西郊郷深溝村南0.5㎞の丘陵地に位置する。北周天和4年(569)葬の原州刺史李賢(同年没)と、妻呉輝(西魏大統13年〔547〕没) の合葬墓。1983年、寧夏回族自治区博物館と固原県文物工作隊とが発掘した。墓の構造は、3天井を過道上に有する地下式洞室墓である。過道・天井・甬道・墓室には、楼閣・武人・侍従伎楽図などの壁画が描かれていた。出土遺物は、夫妻各々の墓誌、鎮墓武士・武装騎馬・女官騎馬・奏楽騎馬・文官・武士・胡・侍女・鎮墓獣・ラクダ・馬などの彩色泥俑、壺・鉢・埦などの土器、鍍金銀胡瓶・釣手高台蓋付銀壺・銀熨斗・銀鉢・銀勺などの銀器、鉄刀・鉄鉈・青金石(ラピス・ラズリ)入金指輪、玉佩、琥珀蝉・琥珀玉、瑪瑙玉、浮出円形切子ガラス碗、濃青色や濃緑色のガラス玉などがある。北周期の壁画が多数見られた点、トロイ戦争の発端となったギリシア神話3場面を描いた、エフタル系とされる鍍金銀胡瓶や、福岡県沖ノ島8号遺跡でも同様器形の断片が出土している。ササン系の浮出円形切子ガラス碗などの西方系文物が、埋葬年代の明確な中国の遺跡から出土した点など、その意味は大きい。
(谷一尚)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
佩
ハイ、おびだま、お(びる)、は(く)
*mapのピンは固原市の深溝村
