瑪瑙 めのう

瑪瑙
めのう

玉髄の一種で、火山岩の空隙を溶出した珪酸が充填してできる。多くの場合、空隙の形の縞状のリング模様が見られる。比重は約2.6で、硬度は7程度である。色は透明・白色・黄・褐・赤・緑・青色で濃度の異なる様々なものがあり、脂光沢を示す。墳墓から瑪瑙製装飾品が出土しており、島根県玉造遺跡および鳥取県妻木晩田遺跡では勾玉に使用され、札幌市K435遺跡の続縄文時代の管玉には、赤系の縞瑪瑙が用いられている。大阪府招提中町遺跡出土の玉片は、緑泥石を包含する苔瑪瑙で、白地に緑の濃淡色を示し翡翠に酷似しているが、比重が2.6で元素分析では主成分として珪酸のみが観測されることから、苔瑪瑙と同定されている。瑪瑙は珪酸以外に含まれる不純物成分が少ないため、まだ各産地を区別する指標が発見されず、瑪瑙製遺物の原材料産地の同定ができない。現在、自然科学分析では、瑪瑙か否かの同定にとどまっている。

(藁科哲男)

以上、転載