仲原遺跡 なかばるいせき

仲原遺跡
なかばるいせき

沖縄県うるま市(旧中頭郡)与那城町字伊計小字仲原に所在する縄文時代晩期の集落遺跡で、仲原式土器の標準遺跡。伊計島のほぼ中央部、標高約23mの平坦地に立地する。1980・81年(昭和55・56)に沖縄県教委により発掘調査が行われ、竪穴住居跡23軒が発見された。竪穴住居跡には廃屋を墓に転用した例も見られた。竪穴遺構は平面形が隅丸方形で、縁辺部に石灰岩の石組みを配する。大きさは大型が約5×5m、小型が約3×2.5mを測る。炉は大型住居跡のみにあり、一般的な小型住居跡には認められない。柱穴跡は1〜3基と少なく、配置も一定していない。土器は仲原式土器を主体とする深鉢形の尖底土器や壺形土器からなり、石器(石斧・磨石・凹石・叩石)、骨製品(サメ歯製骨製品・骨針・骨錘)、貝製品などが得られた。沖縄諸島における縄文時代晩期終末の社会や集落の形態を考える上で重要な遺跡である。

(上原靜)

以上、転載