寧夏固原北魏漆棺墓 ねいかこげんほくぎしつかんぼ

寧夏固原北魏漆棺墓
ねいかこげんほくぎしつかんぼ
Ningxia Guyuan Bewei-qiguanmu

中国・寧夏回族自治区固原県城の西2.5㎞にある北魏時代の塼室墓。1981年、固原博物館が調査した。埋葬施設が墓道・羨道・墓室から構成されており、中軸の長さは22.70mを測る。墓室は一辺3.8mの方形で高さ3.9m、ドーム状の天井である。夫婦とみられる男女二人の棺が検出されたが、男性被葬者の漆棺に彩色の絵が描かれている。棺の前档に右手でコップ、左手で扇子のように見えるものを持ち、帳の中に座る墓主肖像画と、中央アジア風の守護天人像2体を描き出している。側面に円文と六角繁文を地文にして力士および龍鳳などを配し、下縁に狩猟図、上縁に舜・郭巨などの孝子伝図をアレンジしている。棺蓋に天の河を中軸にして左に東王父と日像、左に西王母と月像を描き、網状の唐草繋文を地文に人面鳥など仙禽神獣を配置している。孝子伝図の人物はいずれも鮮卑拓跋部の伝統的な服装を着用しているが、そのほかに漆の断片から漢民族の服装を着る人物像も発見された。墓室から獣面の上に仏像をつける金銅製舗首、双龍・大鵬と仏像のモチーフの金銅製環形金具なども出土した。古墳の年代が5世紀末と推定され、北魏孝文帝の服装改革直前の儒教・仏教信仰や東西文化の交流を考える上で重要資料となる。

(蘇哲)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


トウ、かまち

 

*mapのピンは寧夏固原博物館