オホーツク文化 オホーツクぶんか

オホーツク文化
オホーツクぶんか

 6世紀後葉ごろから8世紀にかけて、樺太・北海道・千島のオホーツク海沿岸を中心に分布した文化。北海道では、アムール川下流域から樺太にかけて居住する集団の渡来を契機として成立したと考えられる。主な生業は海獣・陸獣の狩猟、漁労、鳥類の捕獲で、貝塚を多く残した。家屋は平面が五ないし六角形の大型の竪穴住居で、内部に形成された骨塚は、動物に対する特別な観念や儀礼の存在を示すものであろう。墓は木槨墓や土壙墓で屈葬や伸展葬があり、遺体の頭部には土器を伏せて置いている。主な遺物にはオホーツク式土器・石器・骨角器・鉄器・青銅製品・木製品などがある。大陸との交流が行われた結果、金属製品や玉類は大陸製のものが流入し、ブタやイヌの飼育、オオムギやアワなど穀物の栽培も行われていた。後半期には枝幸町や網走市の遺跡から蕨手刀が出土するなど本州との交流も深まった。

(中田裕香)

以上、転載