オホーツク式土器 おほーつくしきどき

オホーツク式土器
おほーつくしきどき

オホーツク文化期の人々が製作・使用していた土器。1933年（昭和8）河野広道が提唱した「オホーツク式土器群」に由来する。器種は少なく、深鉢・鉢から壺・甕へ変化する。編年は文様の変化を指標としてなされ、1942年（昭和17）に伊東信雄が樺太の土器について行ったものが、現在も基本的に継承されている。前半期の土器には円形刺突文・刻文などが施される。後半期は道東と道北、樺太で土器に違いが認められる。道東では擬縄貼付文・ソーメン状貼付文が併用される時期と、後者が単独で施される時期がある。道北や樺太では沈線文・摩擦式浮文・型押文などが施されている。近年は奥尻島や下北半島、千歳市からも出土が報告されており、道央以南の人々との交流を示すものと考えられる。これらの土器の年代観や、後続するトビニタイ土器を末期に位置づけるかどうかは、研究者によって差異が大きい。

（中田裕香）

以上、転載