五倫台古墳群 ごりんだいこふんぐん
五倫台古墳群
ごりんだいこふんぐん
Oryundae-gobungun
韓国・釜山広域市金井区仙洞に所在し、ふだんは貯水池に水没している。1971年に釜山大学校博物館が調査を行い、竪穴式石槨墓29基、甕棺墓1基を検出した。その後、96・97年にかけて釜山市立博物館が調査を行い、土壙墓6基、竪穴式石槨墓55基、横口式石室墓3基を確認した。竪穴式石槨は長3〜4mと小型のものである。そのうち10・9号墳は主・副槨の関係にある。床面に人頭大の石を敷くものと、小石を全面に敷くものとがあり、前者は5世紀後半、後者は6世紀前半とされ、分布域も前者は丘陵下側、後者は丘陵上側と異なる。土壙墓は6世紀前半代の竪穴式石槨墓群に混在していた。横口式石室墳は、さらにそれらの北側に位置する。時期が新しくなるにつれ、古墳は丘陵の上方へ移動する。副葬品には陶質土器・軟質土器があり、鉄器では大刀・剣・矛・刀子・鏃・鎌・鑿・斧・鋳造鉄斧・鉄鋌・鎹・有棘利器・輪鐙などがある。大型古墳がなく副葬品も少ないが、釜山地域の三国時代研究に必須の遺跡である。
(定森秀夫)
以上、転載
*mapは金井区の五倫台路
