おつぼ山神籠石 おつぼやまこうごいし

おつぼ山神籠石
おつぼやまこうごいし

佐賀県武雄市橘町のおつぼ山（標高66.1m）に築かれた古代山城。1960年（昭和35）地元の医師江口真一郎により発見、63年発掘調査が行われた。城跡は四つの谷を取り込み、周長約1.9㎞を測る。この調査で列石上に基底幅9mの版築土塁が築かれていることが初めて確認され、神籠石が山城遺構であることが明らかとなった。安山岩の切石列石は非常に精美な加工が施され、ゆるい円弧を描いて築かれている。列石前面では約3m間隔の柱穴列と、1m間隔の礎石（添石）が検出され、土塁前面に防柵が想定されているが、最近では版築用堰板支柱説や女牆支柱説なども提起されている。水門2ヵ所と城門2ヵ所が調査され、第1水門では低石塁上に土塁を築き、水門石塁脇に掘立柱式の城門が設けられていた。列石石材の採集地についても城跡の東北方800mの別山塊（立岩）にあることが確認されている。1979年（昭和54）にも調査が行われ、東門付近で土塁上部平坦面から排水溝と柱穴が検出された。

（向井一雄）

以上、転載

 

 

 

＊辞典解説文から漢字ピックアップ

牆
ショウ、かき、へい