大湯遺跡 おおゆいせき

大湯遺跡
おおゆいせき

秋田県内陸北部、十和田湖南側の鹿角市に位置する縄文時代後期の墓地を中心とする遺跡。1931年(昭和6)耕地整理中に発見され、46年(昭和21)に後藤守一・甲野勇・江坂輝弥・吉田格らにより縄文時代の遺跡であることが確認された。その後、51・52年(昭和26・27)斎藤忠・八幡一郎らの文化財保護委員会の調査により、遺跡の中心となる野中堂・万座両環状列石の実測図が作られ、列石を構成する組石の種別・数、下部土坑の有無などが明らかにされた。84年(昭和59)からは鹿角市教委により両環状列石周辺を対象にした調査が継続して行われ、現在まで、野中堂49.5×52.25m、万座44×38mという規模や、環状列石の周囲に亀甲形あるいは方形配置の柱穴からなる掘立柱建物跡群が整然とめぐること、さらにより小型の環状配石遺構群確認などの成果が上げられた。これらの成果は、その後に発見された他の環状列石との比較検討材料となっている。

(小林克)

以上、転載