裴李崗文化 はいりこうぶんか
裴里崗文化
はいりこうぶんか
Peiligang wenhua
中国・河南省新鄭県の裴李崗遺跡を標準とする、黄河中流域東南部の7000〜8000前の新石器文化。河南省開封地区文物管理委員会や中国社会科学院考古研究所などが1977〜79年に裴里崗を発掘調査し、従来、この地域最古の新石器文化であった仰韶文化後崗類型に先行する遺物が発見されたので、新しく設定された。新鄭県沙窩、密県莪溝、長葛県石固、舞陽県買湖などの各遺跡も該当する。仰韶文化に先行する特徴には、土器では筒形深鉢・把手付深鉢・瘤付鼎・三足付鉢・双耳壺・土製スプーンなどの器種があり、文様では櫛歯状工具による圧痕文と之字文がある。石器では靴底形石鋤・鋸歯刃付石鎌がないなどの明瞭な差もある。竪穴住居は直径(一辺)2〜4mの円形ないし方形で、特に配列に規則性はなく、環濠や中央広場もない。墓地が多く発見され、生前の労働内容を示す男女の副葬品の相違が明瞭である。土器焼成窯もある。
(佐川正敏)
以上、転載
