ポリツェ文化 ぽりつぇぶんか
ポリツェ文化
ぽりつぇぶんか
Pol’lse culture
アムール川(黒龍江)中・下流域から沿海州南部に広がる、今から2000年前ころの文化。古い段階ではアムール川流域に広がり、新しい段階には沿海州南部までその分布を広げるようになる。中国では松花江流域に類例があり、蜿蜒河類型と呼ばれている。標準遺跡であるポリツェⅠ遺跡が代表的である。竪穴住居には大・中・小があり、大型長方形のものには100㎡を超えるものがある。大小が組み合って一つの単位を構成しているらしい。深鉢のほかに口縁の開いた壺が目立つ。一部では浅鉢との区別が難しい蓋が多く出ている。高坏はない。ポリツェⅠ遺跡ではキビの入った貯蔵用大型土器が見つかっている。農耕が行われていたが、農具らしいものがほとんどなく未発達であった。鉄器も鋳造鉄斧や鏃・釣針などであり、農具はない。最近、溝と土塁で集落を部分的に囲んだ例が見つかっている。鎧の一部分である鉄製や骨製の小札が出ていることからも、戦が盛んであったことがうかがわれる。
(大貫静夫)
以上、転載
