平山里遺跡 へいざんりいせき
平山里遺跡
へいざんりいせき
Pyeongsan-ri-yujeok
韓国・慶尚南道梁山市熊上邑平山里の舌状台地上に形成された無文土器(青銅器)〜原三国(三韓)時代の集落遺跡。1996年に東亜大学校博物館によって住居跡24軒、環濠、土壙墓1基などが発掘調査された。住居跡は無文土器時代7軒、原三国時代16軒であり、後者が主体を占める。原三国時代の住居跡はすべて竪穴式で、平面形は方形のものと円形のものがある。大型方形住居が丘陵尾根部に円形に配置され、その中央部は広場となっている。大型方形住居の周囲には、小形の方形・円形住居が分布している。住居は壁際に柱穴を配列するものが多く、外側に住居を囲むように溝状遺構が配されている点が特徴であり、住居の西側に炉を持つものが多い。出土遺物には赤褐色軟質土器・灰色系軟質土器・灰青色硬質土器などの土器類、鉄鏃・鍛造鉄斧・鋳造鉄斧・鉄刀子・鉄鑿などの鉄器類、コメ・アズキ・クリなどの炭化穀物、砥石・木製櫛などがある。住居群南側からは原三国時代の環壕(残存長120m)が検出された。環濠内側には木柵列が設置され、外側には土塁が存在したものと推定されている。環濠には入口が設けられ、この部分で環壕の片側が直角に屈折している。入口部の内側では柱穴群が検出され、望楼のような大型高床建造物が存在したものと推定されている。
(高久健二)
以上、転載
*辞典解説文から漢字ピックアップ
鑿
サク、うが(つ)、のみ
