連子窓 れんじまど

連子窓
れんじまど

木造建築において、壁に穿たれた開口の窓部分を縦に平行に、木または竹を取りつけた窓。国内においては、弥生時代や古墳時代における家屋を考える資料の中に連子窓を表現したものがない。中国では漢時代の家形明器など、朝鮮半島では家形土器などには既に連子窓の表現を持つものが見られるので、大陸では早くから連子窓の採用は考えられる。世界最古の木造建築である法隆寺西院伽藍では金堂・五重塔および回廊に連子窓が採用されており、現在まで見事に機能しつづけていて、連子窓の機能および歴史的な建築空間を考える上で貴重な世界遺産の一つを構成している。なお、驚くべきことには、奈良県の山田寺においては、1982年の東面回廊の発掘によって、7世紀中頃の創建当初の木造建築が倒壊したまま発見された。連子窓の構造を含めて、この発掘された山田寺東面回廊は、飛鳥資料館に鉄骨で補強されつつも考古学発掘調査の成果の偉容を誇示して、現在展示されている。

(山本輝雄)

以上、転載

 

 

その他

次の記事

轆轤 ろくろ