類須恵器 るいすえき
類須恵器
るいすえき
祝部式土器、須恵器あるいはカムイヤキとも称される灰色の硬質土器。奄美諸島以南の沖縄諸島や先島諸島など約190ヵ所から出土する。グスク遺跡では陶磁器に先行して登場する。出自についてはカムイヤキ窯跡発見以前は九州南部説、またそれとは別の種子島を含む本土説、沖縄を含む南島説、朝鮮説など諸説があった。1983年(昭和58)に鹿児島県徳之島の伊仙町で窯跡が発見され、産地の問題は解決した。器種は平底の壺形で、丸い胴部と短く外反する口縁、文様は胴部の波状沈線に代表されていたが、カムイヤキ窯跡の調査から壺・甕・埦・鉢の構成が明らかになり、中世における九州の器種構成とほぼ同じであることがわかった。生産時期はC14測定年代によると12〜13世紀であるが、型式学的研究は課題として残されている。近年は九州系須恵器の存在も確認され、それと類須恵器との関係も検討課題の一つとなっている。
(上原静)
以上、転載
