サーフィン遺跡 さーふぃんいせき
サーフィン遺跡
さーふぃんいせき
Sa Huynh site
ベトナム・中部クァンガイ省ドゥックフォー県の海岸砂丘上に位置する、甕棺墓を主体とする埋葬遺跡。サーフィン文化の標準遺跡。1909年にフランスのヴィネーによって初めて報告された。1923年にはラバレーが初めて発掘調査を実施し、その結果は24年、パルマンティエによって報告された。ラバレーは240基の甕棺墓を発掘したという。サーフィン遺跡の周辺では海岸砂丘が南北に長く伸び、その上に複数の埋葬遺跡が存在している。ここでは34年にフランス人考古学者コラニがタインドゥック地点で55基、フークォン地点で187基の甕棺墓を発掘、39年にはフークォン地点でスウェーデン人考古学者ヤンセが30基以上の甕棺墓を調査した。これらの調査によって、蓋を伴った甕棺墓がグループをなして存在すること、甕棺墓同士の切合いがほとんど見られないこと、副葬遺物として土器、カーネリアンやガラス製のビーズ、特徴的な耳飾などがあり、青銅器が少ない一方で鉄器が多く副葬されることなどが注意された。1976年の南北ベトナム統一後、ベトナム人考古学者による調査研究が開始された。76・77年にかけてホーチミン市社会科学院、ベトナム考古学院、ベトナム歴史博物館が相次いでサーフィン遺跡とその周辺の調査を実施した。サーフィン遺跡の北に隣接する砂丘上のロンタイン遺跡では、従来知られていた内容より古い様相を示す甕棺墓が出土したため、先サーフィンの一段階として、ロンタイン段階が設定された。
(山形眞理子)
以上、転載
*mapはクァンガイ省ドゥックフォー県を示します
