サヌカイト さぬかいと
サヌカイト
さぬかいと
Sanukite
「讃岐岩」とも呼ばれる。非顕晶質古銅輝石安山岩と定義され、石基は透明ガラスと磁鉄鉱の結晶粒で構成される。斜方輝石が多いのに対し、単斜輝石は少ない。微量の斜長石とざくろ石を含み、緻密な黒色で貝殻状割れ面を示す岩石を一般にサヌカイトと称していて、サヌキトイドを含む広い意味の岩石を指すことが多い。産地は瀬戸内海を中心に西北九州まで分布している。旧石器時代では、奈良県二上山産の伝播範囲は、三重県・和歌山県で、兵庫県岩屋産は原産地を中心に50km以内である。香川県の金山・五色台地域産は高知県で、また岡山県恩原遺跡では二上山産とともに使用されている。広島県冠山地域の飯山産は備讃瀬戸の遺跡に伝播している。縄文時代では、二上山産は千葉・静岡・石川・兵庫・高知県に伝播し、金山産は静岡・石川・大分・宮崎県に伝播し、佐賀県多久産は福岡・熊本・大分県の遺跡で使用が確認されている。また、兵庫県女代南遺跡では管玉の穿孔用ドリル材として、鳥取県馬ノ山産や、二上山・金山産が使用されている。
(藁科哲男)
以上、転載
