三星堆遺跡 さんせいたいいせき

三星堆遺跡
さんせいたいいせき
Sanxingdui-yuzhi

中国・四川省広漢市の鴨子河南畔の台地上に位置する 商周時代の巴蜀文化の遺跡。総面積12㎢に及び、現在も平面台形の城壁の一部が残存する。城壁の西南部と北部一帯では大型建築跡や灰坑などが発見されている。1930年代に大型の玉器が出土して注目され、発掘されたこともあったが、80年代以降より本格的な発掘調査が進められている。中でも86年に発掘された城壁南の2基の祭祀坑では、通高2.6mの大型立人像をはじめ、特異な造型の大型神面、57体もの人頭像、神樹や尊・武器・祭祀具などの青銅器、金杖、大小の各種玉器、67本の象牙など合計700点余りも出土し、世界中の注目を集めた。商周代の成都平原に、中国の他の地域に類のない特殊な偶像崇拝が存在していたことや、二里頭期以来の中原文化の影響を受けながら高度な技術水準を持つ巴蜀文化が成立していたことが明らかになった。

(難波純子)

以上、転載