青花 せいか
青花
せいか
白色の素地にコバルト顔料で絵付けし、その上に透明釉をかけ、1300〜1350°Cの高火度の還元焔で焼き上げ、白地に藍色の絵模様を描き出したものである。日本では染付と呼ぶ。中国で元代に誕生し、以後中国陶磁の主要技術として発展し、アジア諸国やヨーロッパの陶磁器に多大な影響を与えた。元代の青花を焼成した窯跡がいくつか知られているが、江西省景徳鎮窯において最も完成度の高い青花が焼成された。元代の青花の確認は、至正11年(1351)銘をもつ青花雲龍文瓶(通称ディビット瓶)の発見であるが、その完成度の高さから、初源は14世紀第2四半世紀頃と考えられている。青花の起源については、西アジアでは早くからコバルト顔料による焼物の加飾が見られることや、コバルト顔料が蘇麻離青、あるいは蘇勃泥青と呼ばれるイスラム圏からの輸入品であることから、西アジアの影響を受けたとする説と、中国独自の創造とする説がある。中国硅酸塩学会では後者を支持し、その根拠を唐代に見られる釉下藍彩陶の存在に求めている。明代の景徳鎮には御器廠が置かれ、優れた景徳鎮官窯の製品が造られたが、景徳鎮民窯をはじめ、華南各地でもきわめて大量の青花が焼成され、世界各地に盛んに輸出された。
(上田秀夫)
以上、転載
