石製模造品 せきせいもぞうひん

石製模造品
せきせいもぞうひん

軟質の石材を使用し、各種の器物を模造した古墳時代の製品。祭祀具となったものに限定されることが多い。碧玉製・滑石製のものがあるが、碧玉製品は少なく年代的にも古いものが大半を占める。碧玉製の腕飾類や合子、滑石製の石枕などは石製品と呼び、石製模造品とは区別する。古墳の副葬品としてだけではなく、祭祀関係遺跡などからも出土する。後者からは同種類の製品が多量に出土することが多い。その場合は一部に小孔が穿たれ、樹枝などに吊り下げられたと考えられている。一方、小孔が認められない機織具や酒造具などは並置するなど、別な使用法が想定されている。精巧なつくりのものが前期後半に出現し、中期になると粗製品が目立つようになり、同種類のものを大量に使用し、後期には減少する。模造の対象品は、鏡・勾玉・臼玉などの服飾具、剣・鏃・短甲などの機織具、坩などの容器類、その他に舟や馬などがある。用途の不明なものも多いが、出土する祭祀遺跡の分布をヤマト王権の勢力拡大と見なす見解もある。

(福尾正彦)

以上、転載

 

 

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